けんさアラカルト
試薬棚の改良
前田 明
1
1東邦大学医学部病理学教室
pp.198
発行日 1983年2月1日
Published Date 1983/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543205428
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検査業務の中で,日常数多くの試薬が使用されるが,実際に試薬調整を行おうとする場合,試薬の保管の仕方いかんによっては,必要とする試薬を探し出すためにかなりの時間的浪費を伴う場合がある.そのため,それぞれの検査室において使用される試薬の保管法には,種々工夫がなされていると思われる.
病理検査室では染料など比較的小容器に入った試薬類も多く,また使用頻度も高い.われわれはこれら小型容器に入った試薬類の保管法として,その探しやすさ,取り出しやすさを考え,試薬棚に雛段を作り,そこにならべて保管する方法をとってきた.しかし試薬類の増加に伴い,収納困難となってきたため薬局などで使用されている回転瓶台を模して試薬棚の中に塩化ビニール製の回転式試薬瓶台を作った.この回転式の試薬台と雛段形式の保管法を比べてみたとき,試薬棚の中に雛段を作る場合,試薬棚の奥行きと高さによっては,そのスペースを有効に活用できないことや,また試薬容器が小型とはいえ,その高さも不揃いの場合もあり,後方に置いた容器のラベルが隠れてしまうなど,その並べ方にも工夫を要する場合も出てくる.しかしながら,回転式試薬瓶台では試薬の並べ方について何ら支障をきたすこともなく,また試薬棚のスペースを有効に利用でき,実際雛段に保管した収容量の約1.5倍の収納が可能となり,さらに試薬探しの面でも目を一点に集中させるだけでよく便利であることがわかった.
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