Japanese
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臨床研究
子宮内膜に於ける肥胖細胞の組織化学的研究—特に内膜よりの出血と同細胞との関係について
Histochemical studies on mast cells in endometrium, with special reference to the relationship between the endometrial hemorrhage and mast cells
五十嵐 栄治
1
Eiji Igarashi
1
1慶応義塾大学医学部産婦人科学教室
pp.765-775
発行日 1959年9月10日
Published Date 1959/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409202028
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I.緒言
組織肥胖細胞は疎性結合織,殊にその小血管の近くに見られる細胞である。この細胞の発見者はP. Ehrlich1)(1877)で,組織中に塩基性アニリン色素によつてメタクロマジー(Metachromasie)を呈する細胞として見出した。
以来,多数の人々によりこの細胞の発生及び機能が詳細に研究された2)。Holmgren.Wilander3),Jorpes4)等は肥胖細胞顆粒がトルイジン青でMetachromasie (異染色性)を起し,赤紫色に染まる性質が生体の血液凝固阻止物質ヘパリンと類似していること,及びヘパリンそのものがトルイジン青によつて定量的に沈澱を生じ,その作用を失うこと,肥胖細胞(mast cell)の多く含まれている臓器からはヘパリンが多量に抽出される事実等から,組織肥胖細胞顆粒はヘパリンであると報告し,又Zollinger5)(1950)は位相差顕微鏡で,ヘパリンは肥胖細胞顆粒そのものに存在する事を観察した。
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