増刊号 細胞像の見かた―病理・血液・尿沈渣
第1章 病理 細胞像からここまでわかる
2.子宮体部
1)子宮内膜の正常組織・細胞
都竹 正文
1
,
平井 康夫
2
1癌研究会附属病院細胞診断部
2癌研究会附属病院婦人科
pp.898-900
発行日 2004年9月15日
Published Date 2004/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543100743
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子宮体部の構造
子宮体部の壁は内腔側から,子宮内膜(endometrium),子宮筋層(myometrium),子宮外膜(perimetrium)の順で構成されている.
子宮筋層は厚さ1cmを超える平滑筋の層である.子宮外膜は結合組織から成っており,子宮の上部では漿膜が最外層を被っている.子宮内膜(以下,内膜)は被覆上皮,内膜腺,間質から構成される.被覆上皮および内膜腺は単層の円柱上皮で,線毛細胞と分泌機能を有する細胞から成るが,内膜腺では後者がほとんどを占める.内膜はまた月経時に剥離しないで残る深層の基底層と,月経時に剥離,放出される表層の機能層とに分けられる.基底層の内膜腺は月経周期によってほとんど変化せず,増殖期初期の内膜腺に類似した像を呈する.
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