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診療室
妊娠性嘔吐に対するクロルプロマジンの効果
Effects of "Chlorpromazine" on vomiting of pregnancy
石浜 淳美
1
,
桜井 保四郎
1
Atsumi Ishihama
1
1岩手医科大学産婦人科学教室
pp.802-804
発行日 1957年11月10日
Published Date 1957/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409201646
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つわり或は悪阻の原因に関しては,これまでに多くの学説が発表されているが,いまなお明らかでなく,したがつて治療においてもいまだ対称療法の域を脱せず,その効果はいずれも確実性をかき,一般臨床医家の悩みとなつている。われわれはこれらの患者にクロルプロマジン(ウインタミン)を使用し,少数例ではあるが好成績をえたので,ここにその大要を報告する。なお本剤は,フランスのローンプーラン研究所で行われた各種phenothiazine系抗ヒスタミン剤の研究の結果発見された新しい化合物で,chlorpromazineと命名され,当初はラボリー等によって人工冬眠に応用され有名になつた薬剤である。本剤の分子式は3-chlor-10(3′-dimethylaminopropyl)pheno-thiazine hydrochlorideで,下記の構造式を有している。
性状は白色の粉末で殆んど臭気なく,クロロホルム,エタノールによく溶けるがエーテル,ベンゾールには不溶,その50%の水溶液はpH 4.0〜6.5を示す。
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