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診療室
トリコマイシン・クロラムフエニコール混合腟錠のトリコモナス腟炎に対する治療効果
Therapuntical effects of combined "Trichomycin-Chloramphenicol" vaginal suppository on trichomonas vaginalis vaginitis
池羽 新一
1
,
井橋 力
1
,
有馬 政雄
1
,
石川 矩子
1
Shinichi Ikeba
1
1順天堂大学医学部産婦人科学教室
pp.797-802
発行日 1957年11月10日
Published Date 1957/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409201645
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緒言
近来各種抗生物質の相次ぐ出現により,婦人科領域における帯下の治療に際して,その全身的或いは局所的応用により,従来の治療法を一新した趣きがある。ペニシリン,オキシテトラサイクリン,クロールテトラサイクリン,クロラムフェーニコール,トリコマイシン等の局所的応用については幾多の報告があり,特にクロラムフェニコールについては,Greenblatt(1951),長尾(1953),赤須他(1956)等の報告と,当教室における高田・吉元・山野井・高山(1955)等のクロロマイセチン250mg含有腟坐薬,更に長峰・川中子(1956)のクロロマイセチンパウダー(20%,10%,5%2%,1%各濃度のもの)使用による腟内容性状並びに細菌叢の変動についての報告がある。最近ペニシリンによるショックの問題が大きく取扱おれ,当教室でも本年2月トリコマイシン腟錠と誤って使用したトリコマイシソペニシリン腟錠の為のショック例を経験して居り,この様な事からもショックの心配のない,而も他の抗生物質に比べて広い抗菌スペクトルを持っクロラムフェニコールとトリコマイシソとの併用は,トリコマイシソの持つ強い抗トリコモナス並びに抗カンジダ作用と相俟つて,帯下の治療面に特に有効なるものと信ずる。
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