2頁の知識
クロルプロマジン
関根 眞一
1
1国立武蔵療養所
pp.60-61
発行日 1955年11月10日
Published Date 1955/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662201064
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精神疾患者の治療では電撃療法,インシユリンシヨツク療法,持続睡眠療法などが旺に行われている.戦後精神外科(ロボトミー)が,普及されたが,その療法は慎重を期すべきもので,前記の療法をやつても効果の得られなかつたものに対して最後の手段として選ばれるものであるという適応決定に深く考慮さるべきものである.我等の日常経験する患者の精神症状のうちで,亢奮幻覚妄想疎通性の欠如というものは,治療に対し強い抵抗があり,それに対する看護も極めて困難であつて看護者を悩ますものである.それらの症状に対しては今迄の上記の特殊療法によつて相当の効果が得られているが,決して望ましいものではない.
最近,クロルプロマジンの精神科への応用によつてそれらの症状が緩和されることを経験しているので,精神科の治療に対して一つのエポツクを劃したと宣伝されるにいたつた.以下精神科医の立場からクロルプロマジンに就いて述べて見たい.
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