Japanese
English
原著
トリコマイシン内服の人肝機能に及ぼす影響
Influences of trichomycin administrations on human liver functions
青河 寛次
1
,
蘆田 勝
1
,
野間 政敏
1
Kanji Seiga
1
1京都府立医科大学産婦人科学教室
pp.757-761
発行日 1957年11月10日
Published Date 1957/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409201634
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Ⅰ.はじめに
トリコマイシン(TR-M)は,甚だ優れた抗原虫性物質であり,わが産婦人科領域ではこれを月常臨床に応用して卓効を収めているけれども,その毒性は基礎実験上かなり著しく,就中その溶血作用は家兎血液で顕著であると云われている。
そこで著者の一人青河は,先に教室の蘆田(義)らと共に,本剤内服の人血液に及ぼす影響を追求し,1日20万U.量の長期投与が果して可能であるかどうかを追求した。その結果,TR-M En-teric-coating (E.c.)の連続投与により血液凝固機序に関係ある諸因子を中心とした人末梢血液性状に,多少の変動はあつたが,概ね生理的動揺の範囲乃至は正常値の限界内にあることを確め得たのである。
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