Japanese
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薬剤の臨床
産婦人科領域におけるトリコマイシン糖衣内服錠による治療経験
Experience with"Trichomycin"tablet for internal use in obstetrics and gynecology
吉元 昭治
1
Shoji Yoshimoto
1
1順天堂大学医学部産婦人科学教室
pp.51-58
発行日 1958年1月10日
Published Date 1958/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409201698
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緒言
抗生物質の普及に伴い,カンジダを中心とする真菌類の過剰発育を来す機会が多くなり,これによる重篤例も報告されるに到つた。わが教室ではつとに産婦人科領域真菌症の問題を採りあげ,各方面より検討し,治療面においても,各種薬剤の試験管内抗カンジダ作用の比較検討を基礎とし,トリコマイシソ腟錠,同軟膏8),キノフォルム腟錠21),更にトリコマイシン内服錠(それぞれ30005000,及び10,000単位を含む糖衣内服錠)9)10),ナイスタチン(腟錠,軟膏,内服錠)11)等の臨床効果についても報告した。
日常外来において帯下及び掻痒感を訴える患者は多いが,カンジダ及びトリコモナスが主因となつていることは衆知の如くである。トリコマイシン腟錠はこの両者に卓効を奏するが,カンジダが腟以外の部位,即ち腸管,口腔,或いは膀胱内に,またトリコモナスが膀胱内に棲息するときは再発又は再感染の機会が多いので,腟錠使用以外に,内服によつて性器外病原体の掃蕩が必要となってくる。
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