診療室
婦人科領域の疼痛に対するアミピロの使用成績
能勢 英章
1
,
堀江 識
1
,
沢田 喜彰
1
1済生会兵庫県病院婦人科
pp.1033-1035
発行日 1955年12月10日
Published Date 1955/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409201286
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(1)緒論
日常,婦人科外来を訪れて,腰痛下腹痛等の疼痛を主訴とし又は主訴に随伴する症状とするものは尠くない。勿論,これ等の中には婦人科的器質疾患(例えば炎症・腫膓・附属器莖捻転・外妊等)が原因と考え得るものもあれば,かゝる器質的疾患を見出し得ない非器質的疼痛(位置異常・月経困難症等による骨盤内充血やホルモン失調に伴う疼痛)もあり,時には婦人性器以外の臓器の疾患(例えば,消化器・泌尿器の疾患や結合織炎と云われるもの)や心身症によるものもある。
婦人科領域の疼痛発生機序に関しては,沢崎,安井,水野(1951〜1953)等の考察もあるが,必しも明確になつた訳ではなく,加うるに個々の患者に対する発生機序の検索も客易ではないので,その治療についても,従来,原因療法(炎症腫瘍の除去)を始め対症療法(鎮痛剤等の使用)理学的療法,ホルモン療法等多岐の治療が行われている。而して,鎮痛剤による疼痛緩和は,原因療法を根本とする器質的疼痛に於てさえ,これと併用するべき重要な治療であると考えられるので,吾吾はかゝる疼痛緩和を目的として,アミノブロピロン製剤アミピロを使用し,好成績を得たので報告する。
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