随筆欄
騒音と病院
水野 重光
1
1順天堂大学
pp.1036-1037
発行日 1955年12月10日
Published Date 1955/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409201287
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都市の騒音の問題は昨今各方面から採り上げられ,その対策の必要が叫ばれているが,未だに一向改善された様子がない。都会に住んでいる人なら家庭において,或いは職場において,或いは出勤の徒復途上において,いろいろの騒音に悩まされない者はないであろう,朝,駅のプラツトホームで電車の来る3,4分の間いやでも雑音混りの宣伝嬢の必要以上にがなり立てる大きい音声に見舞われる。選挙の時などは格別である。
東京は「騒音の都市」という有難くない別名がつけられているが,この騒音のうち最も問題となるのは(1)交通機関によるもの(2)工場や作業場から出るもの(3)拡声装置や楽器によるものなどであるが,病院或いは学校等の立場からいつて日々困却している騒音は,主として交通機関,次いで宜伝等に使用される拡声装置によるものであろう。
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