原著
胎盤及絨毛組織蛋白質に關する研究(第1報)—胎盤及絨毛組織蛋白質特に水溶性蛋白質の抽出分離法に就て
山本 擴兒
1
1名古屋大學醫學部産婦人科教室
pp.392-398
発行日 1953年7月10日
Published Date 1953/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409200862
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I.緒論
妊娠中毒症の本態を胎盤組織に由來するアレルギー説を以て解明せんとする先人諸家の絶えざる努力も未だ本態把握の域に達して居ない。然るに最近に到り,眞柄,加來兩教授の劃期的な實驗的研究は胎盤よりのポリサツカリド及びポリペフチドの抽出に成功した。
今之等の抽出物質を本態として是認するならば本物質は胎盤組織蛋白質中の水溶性蛋白質と結合して居る筈である。依て同組織蛋白質の生物物理化學的検索を試みる事は妊娠中毒症本態究明の一方途でもある。
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