今月の主題 母子医療と臨床検査
話題
胎盤蛋白
鈴木 良知
1
,
井坂 恵一
1
,
高山 雅臣
1
Yoshichika SUZUKI
1
,
Keiichi ISAKA
1
,
Masaomi TAKAYAMA
1
1東京医科大学産科婦人科
キーワード:
胎盤蛋白
,
臨床応用
Keyword:
胎盤蛋白
,
臨床応用
pp.807-810
発行日 1997年7月15日
Published Date 1997/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542903373
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1.はじめに
母児間の接点であるヒト胎盤からは,さまざまな生物学的活性を有する蛋白が産生・分泌され,妊娠の維持,胎児発育に影響を及ぼしている.その中で非妊娠時にはまったく生体内には存在しない,またはごくわずかしか存在しないが,妊娠時には胎盤からの産生・分泌が増加する妊娠関連蛋白質は,妊娠時の胎児発育・異常妊娠の指標として臨床応用がなされている.一方,絨毛性疾患はもとより,悪性腫瘍からも妊娠関連蛋白質が発現することが知られており,これらが腫瘍マーカーとして利用されてきている.本稿では,従来から臨床応用されてきている胎盤蛋白であるhuman chorionic gonadotropin (hCG),human pacental lactogen (hPL),schwangerschaft protein-1(SP 1)に加えて,最近注目されてきた新しい胎盤蛋白であるpregnancy-associated plasma pro-tein A (PAPP-A),placental protein 12(PP 12)およびplacental protein 14(PP 14)の生体内動態とその臨床応用に関して概説する.
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