境界領域
母兒免疫について
古畑 種基
1
1東京醫科齒科大學法醫學教室
pp.379-391
発行日 1953年7月10日
Published Date 1953/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409200861
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1.まえがき
關東産婦人科學界の諸大家のお集りになつておりますこの席で,話をさせて戴くということは,私にとりまして大變光榮のいたりに存じております。私は法醫學を專攻いたしておりますが,法醫學の中でこの産婦人科學的な知識が非常に大切な領域を占めておるのであります。日本の法醫學の開祖である片山國嘉先生はWienのHof-mann先生のところに5ヵ年も留學いたしまして,獨墺の法醫學を我國に輸入せられたのでありますが,このHofmann先生は法醫學の中興の祖と呼ばれ,法醫學の振興に大いに盡力せられたのであります。それ故,當時Wienは法醫學のメツカと云われ各國の留學生が押し寄せて來たのであります。この先生は非常な秀才であつて大學をずつと首席で押通され,卒業しまして後に,法醫學に移りましたので,法醫學の中で産婦人科に關係のある領域を非常に開拓せられたお方であります。現在でも法醫學の中には産婦人科に關係ある部分が多いので皆様の知識をお借りしなければならないことが今後もいろいろと出ると思います。その節はよろしく御指導をお願い申上げる次第でございます。今日は醫科齒科大學の藤井久四郞教授が特別の御計らいで私に話をする機會を御與え下つたので甚だ光榮に存じています。實はこのところ非常に忙しかつたものですから,文献を大分集めたのですが,それを十分に讀まないでしまつたのであります。それで私の經驗を主にして申上げることでお許しを願います。
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