原著
人胎盤並に絨毛組織抽出液のPhosphatase量に就て
山中 弘一
1
,
石原 千秋
1
1名古屋大学医学部産婦人科学教室
pp.151-154
発行日 1954年3月10日
Published Date 1954/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409201001
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緒言
先に著者の1人山中1)は産婦人科領域に於ける血清Phosphatase (以下P-aseと略記す)の研究に於て,妊婦では血清P-ase中特にAlkalinePho phatase (以下Al P-aseと略記す)が逐月的に増加する事実を確認し,本現象を妊婦の旺盛な新陳代謝に起因するものとし,その主因は胎盤組織に由来すると推論した。
飜つて胎盤組織P-aseに関する業績を按するにその殆どは定性的研究であり,且つ又その多くは非系統的のものである。従つて胎盤組織P-aseの量的問題に触れているのは僅かに田上2)が系統的に胎盤を組織化学的に研究した結果よりその量を推論したにすぎない現況であり,直接胎盤組織抽出液に就て測定した文献は皆無である。
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