特集 避妊と不妊
不妊症の原因,診斷及び治療
卵巣刺戟間腦照射
安井 修平
1
1東京逓信病院産婦人科
pp.629-632
発行日 1952年12月1日
Published Date 1952/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409200737
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はしがき
私が此の治療法を發表したのは昭和9年4月(1935)の日本婦人科學會の宿題報告のときである。1927年にZondek-Aschheimは妊婦尿を以てする妊娠の生物學的診斷法を發表し,その本態は腦下垂體前葉ホルモンであるとした。勿論當時吾が國の村田,獨のPhilipp等は絨毛細胞ホルモンであると考えて居り現今では妊娠反應を起すホルモンが腦下垂體のホルモンで無いことは明となつて居るが兎も角もZondekの研究から腦下垂體内分泌學が著しく發展し,腦下重體は諸種内分泌臓器に對して支配的内分泌作用を持つて居ることが明かにされた。
他方「レ」線の治療的應用が盛となり所謂Arndt-Schultzの法則に從つて「レ」線の生物學的作用のあることが唱えられて「レ」線の細胞に對する刺戟作用が考えられるに至つた。
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