Japanese
English
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腦の解剖學(第7講)—間腦
Anatomy of the Brain. Vn.:Diencephalon
小川 鼎三
1
Ogawa, Teizo
1
1東京大學解剖學
1Tokyo Univ.
pp.52-57
発行日 1951年1月1日
Published Date 1951/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406200168
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間腦は第三腦室をかこむ部分で,その上壁はごくうすくて第三腦室脈絡叢をなし,側壁は甚だ厚くて,その上部は視床Thalamus opticusとよばれ,側壁の下部から底の部分は視床下部Hypothalamusである。その他,視床上部Epithalamus,視床後部Metathalamusが區別される。間腦のこれら諸區域は大部分が灰白質であつて,白質の部分はわりに少ない。
視床は従來しばしば「視丘」と稱せられたが,すぐ近くにある四丘と發音の上で區別するために,用語委員會は「視床」を採つたのである。視丘はドイツ語のSeh-hügelを譯したのであろう。またThalamusというのはギリシヤ語がもとをなしていて寢床の意味である。大腦の深いところにかくれて,滑かな表面が圓みをおび,いかにも厚いクッションで被われた寢臺をおもわせる。その後端部の突出したとこ神神經と密接なつながりがあると考えたのでopticusの字をつけたのであるが,今日ではそれは餘計であり,誤りをおこす危險さえある。しかしガレヌスのころからの永い傳統で「視」の字が急には廢止されない有樣である。フランス語でも視床をcouche op-tiqueという。
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