座談會
産婦人科領域における化學療法
赤須 文男
,
中島 精
,
眞柄 正直
,
安藤 畫一
,
岩田 正道
pp.119-128
発行日 1951年3月10日
Published Date 1951/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409200463
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赤須 ではこれから「産婦人科領域における化學療法」というテーマで座談會を開催いたします。1935年にドマークが赤色プロントヅールの臨床上有数であるのを發表いたしまして以來相次で多數のサルフア劑が出まして,その結果非常に優秀な成績を擧けております。その後ストレプトマイシン,クロロマイセチン,オーレオマイシンといつたようにだんだん新い,いわゆる抗生物質というものが出てまいりまして,いろいろな方面から治療界に君臨しておるような状態になつております。そこでこれらの化學療法を通じて考えられますことは,たとえば,從來私共が考えておりましたグラム陰性菌とか陽性菌ということは單に診斷學的な意味をもつているだけでなしに治療に對しまして非常に大きな意味をもつてきたということと,それからまた細菌學者が分類いたしましたところの微生物の分類が治療上にも合致してきているということで,たとえばビールスの疾患はこれらの治療からは大體いまのところ除外されているような形になつておりますし,また球菌による疾病には一般にサルフア劑はよく效いておるというように,微生物學者が分類いたしました分類が治療上と非常によく合致しているような感じがいたします。
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