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教室便り—東大産婦人科學教室/慶應義塾大學醫學部産婦人科教室
小畑
,
長内
pp.251
発行日 1949年6月10日
Published Date 1949/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409200220
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昨年9月國家試驗を了へた新進氣鋭の新學士12名の入局を迎へた我教室は.既に教室員50名を突破し,内科外科に次ぐ大教室の陣容を整へた.長谷川教授の圓滿な人格を反映して,教室はこの大世帶にも拘らず,全く和氣靄々たるものがあり,教室を打つて一丸とした家族的雰圍氣が横溢してゐる.然し之は決して安逸や無氣力を意味するものではない.苟も事學問に關する話となるや,先輩,後輩の區別なく,口角泡を飛ばして大いに討論し,夫々自己の意見を主張し,互に「ディスカッション」仕合い,時には殺氣の漲る事さへ稀でない.毎日醫局に於て行はれるこの慣習が,お互を啓蒙し,我々臨床學徒にとつて益する所が如何に大きいか計り知れないものがある.
幸にして戰災を免れたとは云へ,疎開等で相當に荒れた各研究室の整備も,一昨年春長谷川教授の著任と共に速かに戰前に近く復活され,現在では各室共處狹き迄に活用され,晝夜を分たず,物資不足と生活不安定の悪條件とを克服しつゝ熱心に研究に從事する教室員の姿が見受けられる.
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