症例
タモキシフェン服用により増大をきたした広間膜内平滑筋腫の1例
吉田 愛
1
,
武内 享介
1
,
山下 詩乃
1
,
杉本 誠
1
,
辻野 太郎
1
,
西野 理一郎
1
1国立病院機構神戸医療センター産科婦人科
pp.931-933
発行日 2014年9月10日
Published Date 2014/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409103882
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要約
症例は77歳で,下腹部腫瘤の精査加療目的で紹介となった.55歳時に乳癌の診断にて手術を施行しタモキシフェンを6年間服用した.術前の画像検査で直径5 cm程度の子宮筋腫を指摘されていた.初診時,MRIにて巨大な下腹部充実腫瘍が認められたために試験開腹を行った.開腹時所見は左広間膜内に存在する充実性腫瘍であり子宮との連続性はなかった.腫瘍摘出ならびに単純子宮全摘術を行った.術後の組織学的検索では悪性所見はなく平滑筋腫でありエストロゲンレセプターとプロゲステロンレセプターが強陽性を示した.子宮以外の平滑筋腫に対してもタモキシフェンがレセプターを介して増大効果を示す可能性が示唆された.
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