原著
CIN治療におけるニードル型電極高周波電気メスの有用性の検討
武内 享介
1
,
山下 詩乃
1
,
吉田 愛
1
,
杉本 誠
1
,
辻野 太郎
1
,
西野 理一郎
1
1国立病院機構神戸医療センター産科婦人科
pp.503-506
発行日 2014年5月10日
Published Date 2014/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409103786
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要約
【目的】ニードル型電極を用いた高周波電気メスにてCIN3治療を行い,HPV検査からその有用性を検討した.
【方法】術前の狙い生検組織診にてCIN3と診断され,ニードル型電極を用いた高周波電気メスによる切除を行った症例で術後2~3か月目に細胞診とHPV検査を行った78例を対象とした.切除後はボール電極にて切除面を凝固した.
【結果】術後のHPV検査にて陽性であった症例は6例であった.1例はCIN3が持続したために子宮全摘となり,2例はCIN1のため経過観察中である.残りの3例は術後3か月目の細胞診にてHSILであったが,組織学的には明らかなCINを認められず,HPVは術後半年~1年で陰転化し,細胞診も正常化した.
【結論】最終的にほとんどの症例で術後のHPVが陰性で細胞診も正常化したことから,ニードル型電極による高周波電気メス切除は凝固と組み合わせることでHPVの消失・残存病変の減少に寄与する可能性が示唆された.切除面の修復過程においてHPV感染細胞が死滅する可能性もあり,術後HPV陽性症例では継続的にHPV検査を行っていくことが肝要であると考えられる.
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