症例
卵巣腫瘍茎捻転腹腔鏡手術後に診断に至った閉経前卵巣悪性腫瘍2症例の検討
濵田 萌
1
,
武内 享介
1
,
白國 あかり
1
,
山下 詩乃
1
,
吉田 愛
1
,
武田 晃子
1
,
杉本 誠
1
,
辻野 太郎
1
1国立病院機構神戸医療センター産科・婦人科
pp.779-783
発行日 2016年8月10日
Published Date 2016/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409208846
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▶要約
卵巣腫瘍茎捻転を契機に卵巣癌と診断された2症例を経験した.2症例とも40歳台であり,閉経前であった.腫瘍マーカーは軽度上昇,腫瘍径はそれぞれ7cmと10cmであった.単房性囊胞性腫瘍が疑われた症例では腹腔鏡による付属器切除を施行したが,被膜の自然破綻が見られた.術後組織診断では出血性背景を伴う漿液性囊胞性腺癌であった.成熟囊胞奇形腫が疑われた症例では,腹腔鏡による腫瘍切除を行ったが,術中操作による被膜破綻が生じた.術後の病理所見では成熟囊胞奇形腫の悪性転化であった.いずれの症例に対しても術後に根治術が施行された.卵巣癌罹患率が上昇する40歳以降の茎捻転症例では,卵巣癌の可能性も念頭に置いて,腫瘍マーカーをはじめとする術前検査の評価ならびに術後の組織学的検索を進める必要がある.
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