連載 Estrogen Series・101
内診はピル処方の条件か?ピルを処方するときに,内診は本当に必要なのか?
矢沢 珪二郎
1
1ハワイ大学
pp.1498
発行日 2011年12月10日
Published Date 2011/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409102865
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内診はピルを必要とする若い女性にとって,かなりの障害物となっているのではないか,との疑問を持つ医療従事者は多い.内診を条件とせずピルを処方することができれば,ピルはもっと容易に入手でき,結果として望まない妊娠は減少するのではないか?
この疑問に対して,WHOおよびACOG(米国産婦人科医会)は,内診なしでも安全にピルの処方(特に初回処方)をすることは可能である,としている1, 2).ピルの服用開始にあたり,体重,血圧,既往歴は必要であるが,性感染症や子宮頸部癌のスクリーニングは必須ではない3).なお,ACOGのガイドラインによれば,PAPスメアは初回性交3年以内,あるいは21歳以前に行えばよい,としている4).その真意は,初回処方時には内診や検査なしで出しておいて,あとになってから内診や検査をしようとするものである.
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