連載 Estrogen Series・82
ピルと子宮頸部癌は関連があるのか?
矢沢 珪二郎
1
1ハワイ大学
pp.1236-1237
発行日 2008年9月10日
Published Date 2008/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409101865
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最近のLancet誌にピルと子宮頸部癌との関連に関する大規模調査の結果が発表された.子宮頸部癌の直接の原因はヒトパピロマウイルス(HPV)であることはよく検証されている.HPV感染なくして,子宮頸部癌は発生しない.それでも,ピルの使用と子宮頸部癌は関連があるのであろうか.以下,Lancet誌からご紹介したい1).
International Agency for Research on Cancerでは,エストロゲンとプロゲステロンの組み合わせによるピル(combined oral contraceptive)を子宮頸部癌の発癌物質として分類してきた.子宮頸部癌は年齢とともに増加するが,ピルの効果が終了してしまったずっと後までも,ピルとの関連がみられる.この問題を解明しようと,オックスフォード大を中心としたグループは世界で発表されている24の論文を検討した.
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