今月の臨床 常位胎盤早期剥離─ワンランク上の診断と治療
早剥の胎盤病理
中山 雅弘
1
1大阪府立母子保健総合医療センター検査科
pp.1364-1370
発行日 2011年11月10日
Published Date 2011/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409102836
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胎盤早期剥離は,痛みや,出血,子宮増大などの徴候があり,胎盤が早期に子宮壁と分離するものであり,胎盤から考えると,胎盤後血腫と辺縁出血が該当する.大部分は胎盤にはっきりした異常所見がみとめられる.母体面に胎盤後血腫が見られ,変性・壊死やときに脱落膜の変形がみられる.ときに胎盤後血腫が認められずに,辺縁出血のみが認められることもある.あるいは,早期のものでは胎盤にその痕跡を残さないこともある.臨床的な早剥と,胎盤後血腫・辺縁出血との関連を当科の30年間のデータで示す.また,早剥との関連でよく問題となる,Breus’ moleやchronic abruption-oligohydramnios sequence(CAOS)についても記載する.
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