今月の臨床 常位胎盤早期剥離─ワンランク上の診断と治療
母子の予後と次回の分娩管理
川名 有紀子
1
,
安達 知子
1
,
中林 正雄
1
1愛育病院産婦人科
pp.1371-1375
発行日 2011年11月10日
Published Date 2011/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409102837
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常位胎盤早期剥離(以下早剥)は,全分娩の0.2~1%に生じる代表的な産科救急疾患である.事前の予知が困難なうえに,発症後の病態の進行が急速であり,緊急帝王切開などの速やかな対応にもかかわらず,母体,胎児,新生児に重篤な経過をたどる症例が多い.
これまで,早剥の原因,予知などが多角的に検討されてきたが,いまだ明確な発症機序は解明されておらず,誘因やリスク因子が検討されるにとどまっている.
本稿では,これまでの知見に自験データをまじえ,早剥分娩における母子の予後とリスク因子,早剥既往妊婦の管理について概説したい.
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