今月の臨床 常位胎盤早期剥離─ワンランク上の診断と治療
診断におけるポイントと課題
4.総合的判断と早期診断
古川 誠志
1
,
鮫島 浩
1
1宮崎大学医学部総合周産期母子医療センター
pp.1335-1339
発行日 2011年11月10日
Published Date 2011/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409102831
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常位胎盤早期剥離はさまざまな臨床所見を呈する.例えば腹痛や性器出血以外に,嘔吐といった消化器症状が認められることもある.当初は軽度の子宮収縮以外の症状を呈さず,切迫早産として管理が始まる症例もまれではない.発症時期も妊娠中期から後期までさまざまである.また病態の進行度合いもさまざまである.このように多彩な臨床所見のため,疑わなければ見過ごされ,治療介入が遅れる常位胎盤早期剥離は多い.そのため,典型例を除けば対象患者に認められる事象を総合的に判断し,臨床的な常位胎盤早期剥離の診断が求められる.
そこで本稿では総合的判断を行ううえで大事なポイントと早期診断について言及する.
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