症例検討 緩和医療
オピオイドの使い分け—痛みと副作用を総合的に判断し,細かく調節せよ
坪田 信三
1
Shinzo TSUBOTA
1
1聖愛会松山ベテル病院 麻酔科
pp.1078-1082
発行日 2014年11月1日
Published Date 2014/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101200048
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症例
87歳の女性。身長143cm,体重34kg。1年前から持続する乾性咳嗽の精査の結果,原発性肺がんと診断された。CTでは,右肺尖部に腫瘤影,右主気管支の狭窄像,右側肺門部リンパ節および右鎖骨上から頸部リンパ節の腫大,肝右葉に直径5cmの腫瘍を認めた。血液検査では血算,肝腎機能などに異常はなかった。今回,咳と右頸部から側頭部にかけての痛みを主訴に,オピオイド導入目的で緩和ケア外来を受診した。痛みは,右頸部から側頭部にかけて発作的に生じ,性状は「ずきずきする」と表現された。アセトアミノフェン1200mg/日を服用し(コメント1),数値評価スケールnumerical rating scale(NRS)によるペインスコア(想像し得る最悪の痛み:10,痛みがない:0)は,最悪時7,緩和時2であった。痛みの悪化・軽減因子は明確でなかった。
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