同人放談
早期診断,早期治療
足高 善雄
1
1大阪大学
pp.699-700
発行日 1960年7月10日
Published Date 1960/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409202248
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阪大での新制大学院医学研究科は29講座から成り立ち産科学,婦人科学はその中の臨床学に属し,毎年2〜3名の学生が選抜試験を経て入学してくるが,その研究の目的は臨床学である以上あくまで産科学,婦人科学の進歩に貢献するものでなければならないと信じている。基礎医学とは別に臨床医学では臨床の実際についての研究,即ち診断学と治療学についての学修,研究を4カ年の間に究めなければならないとしてその研究に没頭しているが,論文が出来上つて愈々大学院公表会(教授,助教授,講師を以て組織される)に於て発表して研究についての助言と批判を受けるまでには少とも5カ年が必要となつてくるのが実情である。学生の中には研究のテーマを基礎学においてするようなものを選ぶ者もあるが,少くとも臨床学として研究するには診断学,治療学の範囲で研究が完成することを私は希望している。
産科学,婦人科学はともに正しい診断があつてこそ正しい治療が可能であり,医学研究の究極の目的に沿うこととなる。
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