今月の臨床 卵巣がん─最新の治療戦略
再発卵巣がん治療
2.いわゆる「マーカー再発」への対応
山下 博
1
,
新井 宏治
1
,
青木 大輔
2
1独立行政法人国立病院機構東京医療センター産婦人科
2慶應義塾大学医学部産婦人科
pp.919-923
発行日 2011年7月10日
Published Date 2011/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409102729
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卵巣癌の治療成績は1980年代にシスプラチンの登場に伴い飛躍的に向上した.また1990年代にパクリタキセルが登場したことにより,III・IV期の進行卵巣癌の5年生存率がさらに改善したことは周知の事実である1).しかしながら,III・IV期の進行卵巣癌はその約9割が再発し,セカンドラインあるいはサードラインの化学療法へ移行するため,根治は困難といわざるをえないのが現状であり,再発卵巣癌治療のゴールとしてはQuality of Lifeを第一に考える必要がある.本稿においては,画像検査で発見される再発巣や症状の出現に先立って認められることのある,いわゆる「マーカー再発」の意義についての最近の知見を紹介したいと思う.
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