特集 免疫学的検査の進歩
Ⅰ.免疫不全
リンパ球検査
2.表面マーカー
渡辺 信雄
1
1東北大学抗酸菌病研究所免疫学部門
pp.1106-1109
発行日 1979年11月1日
Published Date 1979/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542915241
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リンパ球は均一の集団ではなく,機能を異にするT,B細胞の2大集団より成り,更に各大集団も機能的細分化を遂げた小集団によって構成され,これらの相互作用により免疫応答が遂行,調節されていることが明らかにされつつある1).このような細胞集団には機能的分化に従って,それぞれに特徴的な細胞形質(細胞マーカー)が発現され,細胞マーカーのあるものは,その細胞の機能と密接な関係を有することが明らかにされつつある2).したがって,これらのマーカーを検出することにより,機能の異なる細胞集団を質的・量的に測定することは,免疫機能を解析するうえで大きな手掛かりを与えてくれるものである.
細胞マーカーの検出は,多くの場合リンパ球膜表面に表現されている表面マーカーが用いられ,現在用いられている主なマーカーの種類,方法及びヒト血液細胞における分布を表1に示した.紙面の制限があり,方法のより詳細は文献を参照されたい3〜5).
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