今月の臨床 ART─いま何が問題か
ART妊娠の周産期医療への問題点
藤森 敬也
1
,
菅沼 亮太
1
,
鈴木 聡
1
1福島県立医科大学医学部産科婦人科学講座
pp.758-762
発行日 2011年6月10日
Published Date 2011/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409102693
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はじめに
現在,周産期医療において,高齢妊娠,合併症妊娠,帝王切開分娩などいわゆるハイリスク妊娠が増加しているが,その一因に生殖補助医療(ART)が関与していることは周知の事実である.最近ではARTにより出生する児は全体の1%を超えてきており,この傾向は今後も続くものと考えられている1).また,ART妊娠では,母体が高齢であることや基礎疾患を持っていることも多いことから,母児の周産期予後が明らかに悪いことも指摘されている.本稿では,ART妊娠における周産期医療の問題点について,諸外国の報告とともに,日本産科婦人科学会周産期委員会で作成された日本産科婦人科学会周産期登録データベースを用いた検討2, 3)について述べる.
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