今月の臨床 子宮体癌診療の動向─これだけは知っておきたい
子宮体癌の診断と治療
6.子宮体癌の特殊な組織型への対応―明細胞癌,漿液性癌,癌肉腫
平川 誠
1
,
長井 裕
1
,
青木 陽一
1
1琉球大学大学院医学研究科環境長寿医科学女性・生殖医学講座
pp.1656-1661
発行日 2010年12月10日
Published Date 2010/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409102526
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はじめに
子宮体癌には臨床病理学的に異なる2つのタイプが存在し,1つはエストロゲン依存性の子宮体癌でtype 1と呼ばれ,閉経期もしくはその前の比較的若年の女性に発症する.これに対して,エストロゲンには依存せず,主に閉経後の高齢者に発症するのがType 2であり,類内膜腺癌Grade 3,漿液性腺癌(uterine papillary serous adenocarcinoma : UPSC),明細胞腺癌(uteine clear cell adenocarcinoma : UCCC)をその組織型とし,子宮体癌全体としての頻度は低いがType1と比較して低分化型であり,体部筋層浸潤が深く,リンパ節転移も高率であり,その結果5年生存率は30%以下ときわめて予後不良といわれている(表1).また子宮癌肉腫(uterine carcinosarcoma : CS)も子宮体部腫瘍では稀であり,予後不良な腫瘍である.本稿ではUPSC,UCCC,CSの臨床的特徴,治療法,ならびに予後について文献的考察を中心に述べたい.
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