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編集後記
倉智 博久
pp.1362
発行日 2010年9月10日
Published Date 2010/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409102472
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日本産科婦人科学会の重大な課題の1つは,教育体制の改善です.日本産科婦人科学会専門医の申請基準が大きく変更されました.一言で言えば,専門医の申請や更新の条件が大変厳しくなったのですが,これは,産科婦人科学会が独善的に勝手に行っている変革ではありません.今までは,専門医の認定は各学会が独自に行ってきましたが,これでは適切な外部評価を受けていないという批判がありました.専門医は,国民からみても妥当な認定がなされていなければならないということです.現在は,専門医の医療の質を保証できる体制作りのため,「日本専門医制評価・認定機構」の認定も必要となるという方向で議論されています.これに対し,産科婦人科学会専門医中央委員会では受験資格の厳格化という方向で変革を進めたわけです.もちろん申請者の要件が厳しくなっただけでなく,指導医側にも厳しい条件が求められ,専攻医指導施設には,5年間で3編以上の論文発表が要求されることとなりました.さらに,現在,整備が進められているのが指導医の質の保証です.指導医に対しても,指導医講習会や指導要領の策定などを通じて,質を保証しようとしています.今まで産科婦人科学会は,どちらかといえば専門医の認定が甘いといわれてきましたので,この方向性はやむを得ないことと思われます.
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