--------------------
編集後記
倉智 博久
pp.338
発行日 2007年3月10日
Published Date 2007/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409101365
- フリーアクセス
- 文献概要
- 1ページ目
昨年夏に,冬季オリンピックが開催されたイタリア北部の町トリノに行きました.まだ,町のあちこちに写真が掲示されたりして,オリンピックの余韻が残っていました.トリノは河畔に開けた美しい町ですが,ヴァレンチノ公園という大きな公園があり,市民の憩いの場となっています.私も広い公園を歩いてみたのですが,その折,家の壁にボートのオールのエンブレムが飾られている家を見つけました.私は大学時代,ボート部でずいぶん熱心にボート競技に打ち込んだので大変興味を引かれ,ずかずかとその家に入ってしまいました.その家の庭には,競技用ボートがあり,町のボートクラブだということが分かりました.クラブハウスには立派なホールがあり,そこには数々の栄光の歴史を物語る写真やトロフィーが多く飾られていました.ゆったりとしたホールはバーとレストランになっており,私もビールを飲ませてもらいました.
私たちの大学の合宿所といえば,本当に汚いお粗末な建物で,まったく味気のない施設でしたから,あまりの違いに驚きました.こんなすばらしい環境で練習できれば,楽しいし,強くもなるだろうと感心しました.このようにいろいろなスポーツが,1つの文化として町に根付き,伝統を積み重ねて強いチームが作られ,また,市民のスポーツ活動を支えていることも実感しました.
Copyright © 2007, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.