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編集後記
倉智 博久
pp.706
発行日 2012年7月10日
Published Date 2012/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409103113
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最近,痛ましい交通事故が絶えません.京都では暴走車によって多数の歩行者が死傷し,亀岡では無免許運転の車が通学中の小学生の列に突っ込んで,多くの子供が死傷するという大事故が起こりました.前者は,てんかん患者で医師から免許取得時には申告するように言われていたとかで,さっそく,患者団体からは,てんかん患者に無用な不利益が及ばないようにとの宣言も出ました.ともに,狭い道路で,車と歩行者が接触せんばかりに通行していたという共通点があります.ガードレールのない狭い道路を運転していると,とくに子供は危険で,このような道路を通学路にしておくことには大きな問題があると感じざるを得ません.この後も,群馬県内の関越自動車道では長距離バスのあまりにも痛ましい事故も起こりました.これら一連の大事故は,さまざまに原因分析がなされていますが,どんな原因にせよ,亡くなった方はもちろん,大きなけがをし,後遺症に悩む人は救われません.
文明の利器は,大なり小なり危険と裏腹であることは避けようのないことです.自動車はその一つですが,その最たるものは,今,巷で喧しい原子力発電でしょう.それぞれの利器に,どの程度の危険を許容範囲とするかを決めることは難しいことです.
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