今月の臨床 ここが問題─若年女性のやせ・肥満
若年女性のやせ願望の実態とその問題点
菅原 歩美
1
,
曽根 博仁
1
1筑波大学大学院水戸地域医療教育センター内分泌代謝・糖尿病内科
pp.1263-1267
発行日 2010年9月10日
Published Date 2010/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409102456
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
はじめに
現在のわが国では,若い女性のやせ者の増加は,男性における肥満者の増加とならび社会的な問題となっている.国民健康栄養調査1)では,20代女性のやせ者(BMI<18.5)の割合はほかの年代や男性と比べても高く,1995年以降20%以上が続いている(図1).最近では,30代女性のやせ者も増加しており,平成20年度の同調査では16.8%がやせと判定された.一方,肥満女性(BMI>25)の割合は20代,30代でそれぞれ7.7%,11.8%と,男性の14.6%,29.5%と比較してかなり低い.それにもかかわらず,20代女性の約40%,30代女性では半数以上が自身の体型を「太っている」または「少し太っている」と評価しており,実際に体重を減らそうとしている者の割合も半数近いことからも,若い女性の体型認識のずれややせ願望の強さがうかがえる.本稿では,若い女性のやせ願望の現状や,やせ願望を引き起こしている因子について検討したい.
Copyright © 2010, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.