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Seishin Igaku Volume 54, Issue 3 （March 2012）

精神医学 54巻3号（2012年3月発行）

Japanese English

研究と報告

「肥満恐怖のない神経性食欲不振症」と「やせ願望の明らかでない神経性食欲不振症」 Non-fat Phobic Anorexia Nervosa and Low Drive-for-thinness Anorexia Nervosa 中井義勝 ¹ Yoshikatsu NAKAI ¹ ¹京都健康科学研究所 ¹Kyoto Institute of Health Sciences, Kyoto, Japan キーワード： Anorexia nervosa , Fat phobia , Drive for thinness , Eating Disorder Inventory , Body image disturbance Keyword: Anorexia nervosa , Fat phobia , Drive for thinness , Eating Disorder Inventory , Body image disturbance pp.279-285

発行日 2012年3月15日 Published Date 2012/3/15

DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405102129

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抄録

　神経性食欲不振症(AN)の診断基準すべてを有する典型的AN(1群)200例，「肥満恐怖のないAN」(2群)86例，身体イメージ障害のないAN(3群)97例を対象に，精神病理の相違を検討した。摂食障害評価表(EDI)と摂食態度試験(EAT)で検討した精神病理は1群，3群，2群の順で高かった。EDIのやせ願望が7以下の「やせ願望の明らかでないAN」(低DT-AN)は2群全例に加えて，3群の大部分と1群の一部を含んでいた。次の2点を明らかにした。3つのAN群で臨床所見は類似するが，その精神病理が異なった。「肥満恐怖のないAN」は「やせ願望の明らかでないAN」の一部分で，両者を同一視して考察すべきでない。