Japanese
English
研究と報告
女子高校生のやせ願望と食行動の分析—食・対人行動調査の結果から
The Analysis of the Eating Behavior of the High School Girls Who Desire to Reduce their Body Weight: from the results of eating-behavioral questionnaire
志賀 令明
1
,
福島 峰子
1
,
遠藤 安行
1
,
山内 祐一
2
Noriaki SHIGA
1
,
Mineko FUKUSHIMA
1
,
Yasuyuki ENDO
1
,
Yuichi YAMAUCHI
2
1秋田大学医療技術短期大学部
2東北大学医学部病態運動学講座
1Faculty of Allied Medical Science, Akita University
2Department of Medicine in Sports and Exercise, Tohoku University, School of Medicine
キーワード:
High-school girls
,
Food restriction
,
Vomiting
,
Bulimia
Keyword:
High-school girls
,
Food restriction
,
Vomiting
,
Bulimia
pp.705-712
発行日 1994年7月15日
Published Date 1994/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405903689
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【抄録】 372名の秋田市内女子高校生を対象にして50項目からなる食・対人行動質問紙調査を行った。その結果,身長が低くて体重が重いものほど体が思い通りにならないと感じることが多く,またやせ願望が強いものほど食後に口寂しく,食べ続ける傾向があった。全体を9つのサブグループに分けて比較した結果,肥満群での食事制限には周囲からの評価が影響するが,そこには,①集団と適度な距離を維持しようとする群と,②集団内で自己実現を図る群の2つがあることが知られ,加えて後者は現実にカロリー制限を行うが,前者は願望優位であることがわかった。食行動の異常の観点からは,「嘔吐」をする群と,「隠れ食い」をする群は異なり,前者はやせることを自己実現ととらえている群で,後者は対人関係不全の潜在する群で出現することがわかった。これらに基づき,やせ願望を示す若年女子への理解では,食行動異常と対人的未成熟さの2つの視点も重要となることを考察した。
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