今月の臨床 異所性妊娠
診断と治療の実際
9.内外同時妊娠
片寄 治男
1
,
栁田 薫
2
1いわき市立総合磐城共立病院産婦人科
2国際医療福祉大学病院リプロダクションセンター
pp.1134-1137
発行日 2010年7月10日
Published Date 2010/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409102434
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はじめに
子宮内外同時妊娠(heterotopic pregnancy)とは,子宮体部の着床(正所性)と異所性妊娠が同時に発生した状態をいう.発生頻度は自然妊娠の場合1~5万人に1人の発生率ときわめて稀であるが,複数個胚を移植することが多い体外受精(in vitro fertilization : IVF)を中心とした生殖補助医療技術(assisted reproductive technology : ART)あるいは排卵誘発療法後に成立した妊娠の場合,頻度が1%に著明に上昇する1).近年,わが国のARTの発展はその後の妊娠が異所性妊娠のみならず子宮内外同時妊娠の発生を助長している可能性も指摘される.
本稿では子宮内外同時妊娠についてその概要を述べ,筆者らが経験した本症の2症例を呈示する.
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