症例
排卵誘発後の子宮内外同時妊娠について
藤本 征一郎
1
,
田中 俊誠
1
,
沓沢 武
1
,
鈴木 正篤
1
,
菅原 卓
1
Seiichiro Fujimoto
1
1北海道大学医学部産科婦人科学教室
pp.905-909
発行日 1977年10月10日
Published Date 1977/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409205698
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子宮内外同時妊娠simultaneous intrauterine and ex—trauterine pregnancyは比較的まれな疾患である。その頻度はWiner et al.(1957)1)によれば30,000回の妊娠に1例(0.003%)であるとも報告されている。いままでに欧米では500余例,日本においては30余例が報告されている。現在までの内外における報告例は自然排卵による本症の発生であり,各種の排卵誘発剤投与後の発生例はきわめてめずらしいものと考えられる。われわれの知る限りでは本邦において文献的報告例はこれまでにない。最近,われわれは北大産婦人科不妊症外来患者においてclomiphene citrate (Clomid)投与後の発生を経験したので若干の考察を加えて報告する。
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