症例
大量のオピオイドを使用し疼痛コントロールに難渋した子宮頸部小細胞癌の1例
高橋 也尚
1
,
森山 政司
1
,
岩成 治
1
1島根県立中央病院産婦人科
pp.335-339
発行日 2010年3月10日
Published Date 2010/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409102303
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26歳という若年の子宮頸癌の症例.比較的稀な組織型である小細胞癌で,術後の化学療法は無効であり,短期間に再発傾向がみられた.メインの再発部位である膵周囲における癌性疼痛コントロールに関して,短期間にフェンタニルパッチおよび塩酸モルヒネの併用を開始し,MSコンチン(R)換算量にすると4,320mg/日程度の量となり,疼痛コントロールに苦慮した.
オピオイドの使用量はさまざまであるが,経口モルヒネの1日投与量180mg以下で87%は除痛可能との報告がある.一方,鎮痛をはかるためのオピオイド投与量の上限はなく,高容量のオピオイド使用例がさまざま報告されている.
オピオイド以外の除痛方法として,膵臓周囲に関しては神経ブロックが有用との報告があり,文献学的考察を加えて報告する.
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