今月の臨床 婦人科がんの予防戦略と早期診断
子宮頸がん
2.HPV DNA検査・細胞診併用検診による子宮頸がん検診―高精度・効率化・若年受診率向上により浸潤がん激減
岩成 治
1
,
森山 政司
1
,
小村 明弘
2
1島根県立中央病院産婦人科
2島根県産婦人科医会
pp.771-779
発行日 2013年8月10日
Published Date 2013/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409103456
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●高精度である : CIN2/3の検出感度100%,特異度90%,陽性的中度15%,陰性的中度100%.
●効率化できる : 受診間隔を3~5年に延長可能,CIN3検出単価を46%削減可能,行政の検診助成費用を30%削減可能.
●浸潤がんが激減する : HPV併用検診の最終目的は浸潤がん征圧であるが,HPV併用検診6年目の出雲市からは浸潤がんがほぼ消え,併用検診4年目の島根県の浸潤がんは50%減少した.
●円錐切除後の予後判定に有用 : 円錐切除後のHPV検査の陰性化率は80%で,4年以上持続し,少なくとも3年以内のCIN再発はない.
●適正年齢は25~65歳 : 理由(1)CIN3は24歳以下では極少数で,25歳から急増.(2)25~29歳と30歳台のHPV検査陽性率の差はわずか4%,細胞診異常率とCIN2/3の検出率はほぼ同じ.(3)HPV検査陽性率とCIN3罹患率の交差点は25歳.(4)65歳以上のCIN3はごく少数.
●ワクチン世代に対応可能 : HPVワクチン普及で細胞診異常は現在より70%も減少が予測されるため,HPV検査で絞り込んだ検診が必然となる.
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