原著
帝王切開手術における新しい創被覆材の使用経験
中山 毅
1
,
石橋 武蔵
1
1JA静岡厚生連静岡厚生病院産婦人科
pp.329-333
発行日 2010年3月10日
Published Date 2010/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409102302
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ラッププロテクターTM(八光メディカル)は,弾力のある円形リングを上下にもつシリコーン製の創被覆材である.帝王切開の開創器の役割および創保護を目的とした製品が開発されている.
今回帝王切開時に,新たに開発されたラッププロテクターを使用した.術野は楕円形で十分に広く,助手の介助は必要とせずに,腹膜や子宮筋層を切開し,児を娩出することができた.術野が良好であるため,児の娩出,子宮筋層の縫合や癒着予防剤の貼付が非常に容易であった.Pfannenstiel切開時に下部リングが一部脱出してしまうことがあり,さらなる改良が望まれた.特に,人手が少ないなかでの緊急帝王切開時や,子宮内感染から創部感染のリスクが高い帝王切開では,ラッププロテクターを使用することが有用ではないかと考えられた.
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