臨床経験
腟式子宮筋腫核出術についての検討―当院における19例と文献的考察
佐藤 賢一郎
1
,
森下 美幸
1
,
鈴木 美紀
1
,
水内 英充
2
,
水内 将人
3
,
松浦 基樹
3
,
北島 義盛
4
1新日鐵室蘭総合病院産婦人科
2旭川みずうち産科婦人科
3札幌医科大学産婦人科
4札幌セントラル女性クリニック
pp.1227-1234
発行日 2009年9月10日
Published Date 2009/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409102186
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今回,当院で施行した腟式子宮筋腫核出術19例について検討した.
手術の完遂率は19例中18例(94.7%)で,手術を完遂し得た18例の摘出物の平均重量は157.6±116.5g(10~437g),個数は1.3±0.7個(1~3個),筋腫核の位置は前壁が14例,後壁が3例,前壁+後壁が1例,出血量は290.3±232.0ml(30~900ml),手術時間は85.4±31.6分(40~131分)で,輸血例は自己血輸血が2例であった.手術翌日から歩行および食事を開始し,平均退院日数は術後6.6±1.3日目(4~10日目,手術翌日が1日目)であった.
腟式子宮筋腫核出術の利点は,(1)低侵襲であること,(2)腹部に創部がまったく残らず美容的に優れていること,(3)直視下で縫合・結紮が確実に行えること,(4)ある程度の触診が行えること,(5)特別な設備・機器を要しない,などが挙げられ,本術式は患者の利益に寄与するものと思われる.
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