今月の臨床 ここが聞きたい―不妊・不育症診療ベストプラクティス
III 不育症の検査・診断 D内分泌・代謝因子
【内分泌・代謝異常】
97.生殖内分泌異常,甲状腺機能異常,糖尿病の検査の実際について教えてください.
竹下 俊行
1
1日本医科大学産婦人科学教室
pp.636-637
発行日 2009年4月10日
Published Date 2009/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409102086
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[1]はじめに
内分泌代謝異常と不育症との関連は,古くから指摘されている.不育症の原因を特定するのは必ずしも容易ではないが,とりわけ内分泌代謝因子が単独で原因となっていることを指摘できる症例は少ない.ここでいう内分泌代謝異常のなかには,黄体機能不全,高LH血症,多嚢胞性卵巣症候群(polycystic ovary syndrome:PCOS),高プロラクチン血症,甲状腺機能低下症・亢進症,糖尿病などが含まれる.
日産婦生殖内分泌委員会(ヒト生殖のロス(習慣流産など)に対する臨床実態の調査小委員会 : 齋藤 滋小委員長)では,不育症の病態を明らかにするために推奨されるスクリーニング項目を列挙した1).そのうち,内分泌・代謝異常に関する項目は表1に示すとおりである.
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