今月の臨床 ここが聞きたい―不妊・不育症診療ベストプラクティス
II 不妊の治療 A女性因子に対する薬物療法
【クロミフェン療法・シクロフェニル療法】
37.クロミフェン療法の長期的にみた副作用として,婦人科悪性腫瘍が指摘されています.最新の知見について教えてください.
和泉 俊一郎
1
,
村野 孝代
1
1東海大学医学部専門診療学系(産婦人科)
pp.443-445
発行日 2009年4月10日
Published Date 2009/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409102026
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[1]はじめに
クロミフェンは手軽な内服薬でありながら,高い効果が得られる薬剤として,現在卵巣機能不全(I度無月経),および排卵障害を有する不妊症の治療などに広く用いられている.投与方法も内服であり,注射薬の排卵誘発剤と比しても,卵巣過剰刺激症候群(ovarian hyperstimulation syndrome:OHSS)など重大な副作用の出現頻度も低く,産婦人科医にとっては手軽に処方できる薬の1つである.しかし対象となる疾患が慢性的な病態に陥りやすいという性質上,いったん投与を開始すると,1年以上の長期にわたって継続されることも少なくない.したがって長期使用に伴う副作用,特に悪性腫瘍の発生危険率は興味のもたれる点である.
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