今月の臨床 妊娠中毒症—新しい視点から
関連疾患の管理
4.常位胎盤早期剥離
渡辺 博
1
,
石川 和明
1
,
稲葉 憲之
1
1獨協医科大学産婦人科・総合周産期母子医療センター
pp.182-186
発行日 2001年2月10日
Published Date 2001/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409904260
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はじめに
常位胎盤早期剥離(以下,早剥と略)は,児の周産期死亡や母親の血管内血液凝固症候群(DIC)など,母児の生命を脅かす事態に至る頻度が高い産科救急の代表的疾患である.100万人以上を対象とした大規模な集計によると,早剥の発症頻度は全分娩の0.6%前後1,2)である.慢性高血圧や妊娠中毒症など高血圧性疾患と早剥との関連はよく知られているが,他の発症要因による早剥も少なくない.本稿では早剥の要因とその対策について概説し,最後に当科で管理した早剥の成績を提示する.
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