臨床経験
10歳代の性交未経験者に対する外来での経外陰子宮鏡検査の試み
佐藤 賢一郎
1
,
北島 義盛
1
,
水内 英充
2
,
水内 将人
3
,
塚本 健一
4
,
藤田 美悧
4
1新日鐵室蘭総合病院産婦人科
2旭川みずうち産婦人科
3札幌医科大学産婦人科
4新日鐵室蘭総合病院検査科
pp.1133-1136
発行日 2008年8月10日
Published Date 2008/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409101847
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今回われわれは,腟鏡を掛けずに外陰より直接子宮鏡を挿入する手技(以下,経外陰子宮鏡検査と呼称)により子宮腔内を観察し得た1例を経験した.症例は17歳,0経妊・0経産(性交未経験),主訴は月経不順,過多・過長月経,不正性器出血である.経腹超音波,MRIで明確な診断が得らず子宮鏡検査を施行することとした.麻酔下での子宮鏡検査は同意が得られず,インフォームド・コンセントのうえ外来にて経外陰子宮鏡検査を試みたところ,子宮腔内に多発する内膜ポリープを認めた.麻酔下で経頸管的切除を施行し,その後,過多・過長月経,不正性器出血の症状は軽快している.
性交未経験者や閉経後例で腟腔の狭小な例など腟鏡の挿入が困難な例のみならず,本手技は,腟鏡を挿入される不快感や疼痛もほとんどなく無麻酔で施行が可能なため,従来の子宮鏡手技に替わっての施行も検討に値するのではないかと思われた.
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