今月の臨床 婦人科がん化学療法up to date
卵巣癌
6. 腹腔内化学療法(IP療法)の適応とその有用性
鍔本 浩志
1
1兵庫医科大学産婦人科
pp.741-749
発行日 2008年5月10日
Published Date 2008/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409101775
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はじめに
癌性腹水や癌性胸水による症状を緩和する目的で抗癌剤を局所(腹腔や胸腔)投与することは30年以上前から国内外の実施臨床で行われており,静脈内投与に比べて即効性があり,また全身への副作用が少ないだろうと経験的に考えられてきたが,大規模なランダム化比較試験(RCT)による生命予後改善効果が明確になったのは,卵巣癌初回完全手術後に対する腹腔内化学療法(IP)に関してのみである.表1にその根拠となった3つのRCTの概略をpaclitaxel/carboplatin療法(TC療法)が卵巣癌化学療法の標準治療となったGOG158と並べた1~4).
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