原著
集束超音波治療(FUS)による子宮筋腫の症状改善度についての検討
福西 秀信
1
,
舟木 馨
1
,
藤本 加奈子
2
,
久保 美貴
2
,
水谷 しのぶ
2
,
川上 ちひろ
3
1慈恵会新須磨病院婦人科
2慈恵会新須磨病院
3横浜市立大学大学院医学研究科情報システム予防医学
pp.1413-1417
発行日 2007年11月10日
Published Date 2007/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409101612
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新しい筋腫の治療法としての集束超音波治療法(FUS)は,腹壁外より多数の超音波エネルギーを筋腫組織内に集束させ,その部分を60~90度の高温にして筋腫だけを焼灼する方法である.患者は超音波治療装置の上に腹臥位で横たわりMRI装置のなかで治療を受けるが,その際,治療位置と焼灼部の温度上昇はMRIでリアルタイムに観察することができる.焼灼された筋腫は壊死に陥り,筋腫結節の縮小が促される.この治療を受けた65名を対象に子宮筋腫の症状を問診票(自覚症状重症度スコア:SSS-8,SSS-12)から検討してみた.その結果,治療後3か月目には自覚症状に有意の改善がみられ,この改善は12か月にわたって維持されていた.また6か月後の時点で患者の75%にSSSが10ポイント以上改善していた.治療後6か月での筋腫の縮小率の大きいものほど症状の改善度も高い傾向がみられた(r=0.42,p=0.015).
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